最高裁判所第二小法廷 平成3(オ)1925 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由一について
訴えが不適法でその欠缺を補正しがたい場合において、右訴えを却下した第一審
判決に対する控訴につき、控訴審は、右第一審の判断を相当とするときは、口頭弁
論を経ないで右控訴を棄却することができ、その場合、当事者に対し判決言渡期日
の告知及び呼出手続をすることを必要としないものと解するのが相当であり(最高
裁昭和五七年(オ)第五四一号同年一〇月一九日第三小法廷判決・裁判集民事一三
七号三九一頁、同六二年(オ)第四五七号同年一〇月一日第一小法廷判決・裁判集
民事一五二号一頁参照)、所論の点に関する原審の認定判断及び措置は、原判決挙
示の証拠関係及び記録に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論
の違法はない。右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠く。
所論引用の判例は、事案を異にし本件に適切でない。論旨は、独自の見解に基づい
て原判決を非難するか、又は原審の裁量に属する審理上の措置の不当をいうものに
すぎず、採用することができない。
同二について
本件訴えは、上告人を刑事被告人とする訴訟費用負担の裁判の執行として検察官
がした徴収命令に瑕疵があることを理由に、右徴収命令に基づく強制執行の不許の
裁判を求める請求異議の訴えであるが、刑事訴訟法上、裁判の執行に関する検察官
の処分については、言渡しをした裁判所に対する異議の申立て及びこれについてさ
れた決定に対する即時抗告という特別の不服申立手続が定められている(同法五〇
二条、五〇四条)のであるから、検察官のした徴収命令の瑕疵を理由にその効力を
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争うためには、右手続によるべきであって、民事執行法に定める請求異議の訴えに
よることは許されないものと解するのが相当である。�
右と同様の見解に立ち、本件訴えは不適法であってその補正をすることができな
いとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はな
い。右判断は、所論引用の判例に抵触するものではない。論旨は、独自の見解に基
づいて原判決を論難するか、又は原判決の結論に影響のない事項についての違法を
主張するものにすぎず、採用することができない。
よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 大 西 勝 也
裁判官 藤 島 昭
裁判官 中 島 敏 次 郎
裁判官 木 崎 良 平
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